外国人観光客にも大人気の北野町
異人館の街として神戸で屈指の観光スポットとなっている北野町ですが、外国人観光客にも大人気のようです。
外国から異人さんたちが日本に来て、また異人館巡りするのが人気というのも不思議な気がしますが、やはり、日本の街と異国情緒が混じりあった街は、独特の情緒があって物珍しい楽しい観光スポットなんでしょうね。
そんな北野町ですが、やはり安藤作品が多い街としても有名ですから、その建物も少し見ておくことにしました。
残念ながら、今回はゆっくり全部を見て回る時間がありませんでしたが、北野町は少し散歩しているだけでも、街並みが独特の風情があって気持ちのいい街でした。
外国人観光客に人気なのも頷けます。
風見鶏の館を後にローズガーデンへ直行
安藤忠雄の最初の商業施設ということで書籍等でもよく目にするローズガーデンでしたので、神戸に来たら外せないと思った建物でした。竣工当時の斬新さはかなり話題になった物件のようで、いつもの、コンクリート打ち放しに、□と〇とガラスと緑、みたいなパターンになる以前の建物なので、時間のない中で、この物件だけは今回見ておこうと思った次第です。
実際にたどり着いてみると、商業施設といっても、通りに面した店舗以外は空室で、通りも観光客が多いエリアからは少し離れた場所で、賑やかな商業施設、というOPEN時の面影はありません。
風見鶏の館とかの人気スポットは多くの観光客で賑わっていましたので、そこからやってくると、気が抜けるような静かな通りです。
とは言え、このローズガーデンは、遠目にも一際異彩を放っており、一目見た瞬間に独特の建物オーラを感じました。
さすがに半世紀を経た商業施設ともなると、建物の経年劣化だけでなく周辺環境や人の流れも変わったでしょうから、同じような賑わいがなくなっても不思議はありませんが、今はどう使われているのか気になったので、調べてみました。
それがこちら「KITANO THE MAGNET」
https://kitano-magnet.jp/
サイトのコンセプトには、
異人館通りのかつての賑わいを取り戻す。北野を、そして神戸を代表するストリートの再生」
となっており、具体的には、
「北野にある安藤忠雄氏の作品群の中で、初期の代表作2棟(ローズガーデン、北野アレイ)を拠点に、親しみやすいアートを取り込んで、異人館通りを楽しくするプロジェクトを目指します。
このチームは、KITANO THE MAGNET(KTM)と名付けられました。KTMが磁場を作り、人々を引き寄せ、時に新たなものを産み出す空間作りを目指します。」(「KITANO THE MAGNET」の公式サイトより引用)
と書かれています。
ナルホド、アートの企画展示を運営されているようですね。これはまさに、この建物にはぴったりな内容だと感じました。また、書かれているように「異人館通り」の賑わいが、他の場所に移って人通りが少ないエリアになっていたのも、まさに再度の活性化を目指している過渡期、ということのようです。
外からは、今の安藤建築とはかなり異なるイメージですが、中を少し覗くと、さすがに半世紀の年月の経過を感じさせますが、安藤建築らしい□と〇とコンクリート打ち放しの空間がありました。
それにしても、今となっては安藤建築らしくない外観ですが、この街の風情にあっていて、とてもいい感じの建物です。なんとか通りの再生と同時に、再び活気あるランドマークとして蘇ってくれるといいですが、半世紀の建物劣化もあるし、なかなか一筋縄ではいかないんでしょうね。
建物の裏に回ると、こちらの方はコンクリート打ち放しの、直球の安藤忠雄テイストでした。
レンガの壁の構成も、この角度から見ると、少しづつずらしてあってコンクリートでなくレンガではありますが「板」を感じる造りになっています。
こういうところは、レンガであっても安藤忠雄を感じます。
表通りから見るより、このアングルからの方が、今の安藤建築へのつながりを垣間見ることができますね。
経年劣化や人通りのすくなくなった状況で、少し寂しい状態になっているとはいえ、さすがに、なかなか見ごたえのある面白い建物でした。
北野アレイ
ローズガーデンからはすぐ近くにある安藤建築だったので、急いでこちらも見てきました。
広大な敷地のビルと違って、北野にある物件は小規模なビルですが、北野アレイの方は、ローズガーデンよりも、コンクリート打ち放しに、□と〇といったデザインがすぐ目に入り、小ぶりなビルの中でもいつもの安藤忠雄デザインらしく展開されていました。
この「KITANO TAHE MAGNET」のサイトを先にみておけばわかったのですが、実は「北野アレイ」も同じく、このアートの企画イベント会場として利用されていたんですね。
企画展スケジュールにあわせてくれば、中もじっくり見れたのですが、今回は時間もないので、外観だけさらっとみて終了。
北野エリアの安藤建築は、ここからすぐ近くにもまだ何棟かあったのですが、時間の都合で今回はこの2棟だけみて急いで次の目的地に移動となりました。
次回はいつ来れるかわかりませんが、その時には、ゆっくり残りも全部見て回りたいと思いますが、その時には、この2棟の状況と通りの活性化がどうなっているか気になるところです。